佐々木良さんの著書『愛するよりも愛されたい』、読みました?
万葉集といえば日本最古の和歌集ですが、これを分かりやすく、奈良弁で現代語訳してある本です。
2023年9月26日の激レアさんを連れてきた。に佐々木良さんが出演して紹介されていましたね。
本人曰く、「誰が買うねん」と思っていたこの本、なんと発行部数はすでに14万部を突破しています。
現代語というか、ギャル語で訳してあって、とても面白くて内容が頭にすっと入ってくるんです。
作者の佐々木さんはどうしてギャル語を知ってるの?ギャル語で訳そうと思ったきっかけは?
などなど、気になりますよね。
じつはギャル語の参考にしたのは小悪魔agehaなんだそうです!
詳しく解説しますね!
佐々木良さんの経歴や【愛するよりも愛されたい】をギャル語で訳したきっかけ
『愛するよりも愛されたい』は2022年10月に発売されました。
しかしなぜ万葉集をギャル語で翻訳しようと思ったのでしょうか?
その経緯を佐々木良さんの経歴と一緒に簡単にご紹介します。
佐々木良さんの経歴
佐々木良さんは32歳でデビューしたノンフィクション作家で、『愛するよりも愛されたい』を出版する前に2冊の本を出版しています。
『美術館ができるまで なぜ今、豊島なのか?』『令和は瀬戸内から始まる』という本です。
作家として活動されているのに、なんと27歳まで本を読んだことがなかったというから驚きです。
27歳で初めて本を読み、それから6年で1万冊を読破したということなので、おおよそ1日に4~5冊という驚異的なペースです。
染織作家の志村むくみさんのエッセイ『一色一生』を読んで、本を読む面白さに目覚めたのだとか。
2020年には出版予定だったものがコロナによってなくなってしまい、収入がなくなるという危機が訪れます。
しばらくは、船に1時間かかる離島のハンバーガーショップでアルバイトをしながらのギリギリの生活を送っていたそうです。
そんな時、給付金の10万円を資本金として香川県高松市に出版社「万葉社」を設立します。
ちょうど令和に年号が変わり、その言葉の出典が万葉集だったということから万葉社にしたそうです。
なんと万葉集に特に思い入れがあったわけではないんだとか。
その後の大ヒットを知っていると、とても意外に感じますね。
そして万葉社より、万葉集の現代語訳版『令和万葉集』を出版します。
こちらはすでに絶版になっているので、中古で手に入れるしか方法はありません。
そして、『愛するよりも愛されたい』の出版、大ヒットへと続いていきます。
現在は納税額1億円を目標に、一人で社長、著者、デザイナーをこなしておられます。
【愛するよりも愛されたい】をギャル語で訳したきっかけ
令和万葉集はギャル語などは使われていない、普通の真面目な本です。
では万葉集をギャル語で訳すことになったきっかけは何だったんでしょうか?
実は、友人とのSNSでのウケ狙いで面白おかしく訳したものを投稿したら思わずバズってしまったことがきっかけなんです。
これを書籍化すればいいのでは!?これしかない!と決心した佐々木さんは、『愛するよりも愛されたい』を完成させます。
しかし、取り扱ってくれる書店は当初1店舗のみ。
「こんなん買う人おらんやろ」と自分の結婚式の引き出物にして親戚に配ったことがきっかけで、『愛するよりも愛されたい』は大ヒットにつながります。
後日式に参加した人からAmazonに入れてみたら?と提案されてやってみると500部があっという間に完売。
さらに結婚式に参加していた地元のアナウンサーがテレビで紹介したことで、朝日新聞の社会面のトップに掲載。
当時は、佐々木さんの携帯は朝7時から夜9時まで5分1回は電話がかかってくるという状況が2~3か月ほど続いたそうです。
SNSでのウケ狙いの投稿から始まったギャル語に翻訳された万葉集は大人気となり、今や14万部を突破、売上は1億円を突破するほどです。
古典をギャル語に翻訳するという素晴らしい着眼点、佐々木良さんには作家だけではなく、経営者の手腕もあるようですね。
【愛するよりも愛されたい】のギャル語翻訳で参考にしたのは小悪魔ageha
執筆当時30代男性だった佐々木良さんは一体どうやってギャル語を知ったのでしょうか?
実は『愛するよりも愛されたい』の執筆でギャル語の参考にしたのは、ギャル御用達の雑誌『小悪魔ageha』なんだそうです!
10代~20代の女性をターゲットにした雑誌なので、まさにその年代の女性たちに刺さる翻訳だったんですね。
普段から持ち歩き、熟読して情報収集を欠かさないんだとか。
小悪魔agehaの他、egg、Happie nuts、姉agehaなどの雑誌、少年漫画や少女漫画のりぼんやちゃおも読むことが多く、普段から若者の文化や言葉に親しんでいることが翻訳にも活かされているようです。
【愛するよりも愛されたい】の続編は?
2022年10月に発売された『愛するよりも愛されたい』。
翻訳されたのは万葉集の中のほんの一部です。
当然続編が期待されますが…じつはすでに第2巻が発売されています!
2023年7月に発売された、『太子の少年』です!
万葉集は4500首もあってネタは尽きませんから、今後も続編が期待できそうで嬉しいです。
まとめ
27歳まで本を読んだことがなかった佐々木良さん。
6年間で1万冊の本を読破し、コロナ給付金の10万円を資本金として万葉社を立ち上げました。
友人とのSNSのウケ狙いがきっかけでギャル語に翻訳した万葉集『愛するよりも愛されたい』を2022年に出版し、14万部を超える大ヒットとなりました。
その翻訳の参考にしたのは雑誌『小悪魔ageha』で、現在も持ち歩いて熟読・研究されています。
続編である『太子の少年』も2023年7月に出版され、ますます今後の活躍が楽しみです。
納税額目標1億円の達成も近いかもしれませんね!